『刹那の季節』を最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございます。
コンセプトはエピローグで若菜が言った、『主人公にもヒロインにもなれなかった脇役少女の視点から語られる話』でした。
ひとつの恋物語というかたちをとるなら、誠司と要芽が主軸となり、若菜という少女はあくまで脇役の一人だったのでしょう。
だけど、そんな若菜自身にも自分の考えがあり、自分の意志があり、時にその二人とは関係のない場所で動いているのです。
ただ、それを表現するにはちょっと力不足だった感じも否めませんが……。
それでは、簡単にキャラクターの紹介を。
葉籐若菜
前述したとおり、立場的には『主役』というより『観測者』という位置付けの少女。
話中にもあるとおり、誠司のことは弟のようなものだと思っており、恋愛感情は持っていません。
当初の予定になかった百合の属性が付加してしまったようですが、まっとうな道には戻れたのでしょうか?
その判断は皆さんにお任せします(だからエピローグでは苗字が明記されていないのですし)。
早坂誠司
ある意味中核をなす人物であり、ある意味メインヒロイン。男だけど。
本当は彼と『彼女』の立場が逆だったら物語としてもっとそれっぽくできたのかもしれませんが、
諸事情により『彼女』を失うわけにはいかなかったので。
浅宮要芽
こちらもある意味中核をなす人物であり、そのためか、登場する機会も多かった。
本編では語られなかったが、女性にもてるという特殊能力の持ち主。
実は女性で、誠司の『彼女』さんなのですが、
最後あたりでそれが明らかにされる前に気づいた人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか?
長谷川美由紀
基本的にネタキャラ。メイド服姿なんかまんまネタですし。
……そういえば、若菜はいつから、どういう経緯で、彼女のことを名前で呼ぶことになったのでしょうか(汗
神谷翔子
若菜の親友。
若菜と小学校時代からの中だったのが効いたのか、『彼女』と関わりが深かったのが効いたのか、
物語の中核をなすキャラクターとなっていました。
藤代環
若菜の親友。
翔子に比べると立場が弱かったのか、後半はほとんど登場せずじまいでした。多人数を動かすことの難しさを痛感。
早坂小夜
誠司の妹。そのわりには、出番が少なかったような気もしますけど……。
陽司
エピローグに出てきた誠司似の少年。その正体は謎に包まれている……わけでもない。
父親譲りなのか、実はやや病弱気味。
名前とは裏腹にお日様の光には弱かったりする。病的なほど白い肌は伊達ではない。
誠司さん、とさん付けで呼ぶのは面識がないからだ、とは本人談。
余談ですが、彼の眼鏡には度は入っていません。
春がきて、夏になって、秋がきて、冬になって、また春がきて。
季節は幾度となく巡っていくのでしょう。
それでも、その季節の間しかめぐりあえないものがあり、その季節を過ぎてしまえば二度と逢えない人がいる。
そして、時にはそんな季節の中でめぐりあい、出逢い、別れ、そういったことを繰り返して、ひとは前へと進んでいくのではないでしょうか。
私はそう思うのです。
皆さんの季節も、輝けるものであるように祈りつつ。
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